Anglers vol.2 VARIVAS VIETNAM 〜室屋社長〜

 

ベトナムで釣りに関わる人のインタビューを連載する企画

”Anglers”

本日はホーチミン北部ビンズン省の
Myphuoc3工業団地に居を構える
VAVRIVAS VIENAMの代表、室屋社長にお話をお伺いした。

 

室屋社長のご経歴に関して、お伺いしてよろしいでしょうか?

私はもともと京都出身で家業が手描き京友禅の職人だったこともあり、最初は職人の道へと進みました。

ただ、私が若いころは事業も順調でよかったのですが、年を経るに連れ、着物の需要も徐々に下降線を辿っていきました。

そこで将来的な息子の大学進学も検討していたこともあり、トラックの運転手として職に着くことにし、そこから最終的に運行管理者の資格を取ることにも成功し、生活も安定してきました。

トラックの運転手をしていた30歳の頃、まだ幼い子供に鮎を食べさせたかったのがきっかけで鮎釣りに入りました。

京都RFCという釣りクラブに所属しながら鮎釣りを楽しむ傍ら、プロトーナメント等にも積極的に参加しており、当時は夏は家業の手描き友禅の仕事をしながら毎日鮎釣りに明け暮れていましたね。

ただ、現在釣り人口が激減していることに加え、鮎の数自体も減っており、鮎釣り人口も減少の一途です。

非常に残念に思います。

そしてこれは他の釣りに関しても当てはまります。

都会に住む若い人には是非一度釣りを通して、日本の自然の素晴らしさや生態系の豊かさ、といったところを肌で感じて欲しいですね。

 

さて、話を戻しますが、当時鮎釣りをしていた際に、現在の弊社社長と知り合いになる機会があり、その際、弊社釣具のテスターを打診され、テスターとして活動をしていた期間がありました。

運行管理者をしていた会社で定年退職が近づいていたある日、社長から電話がかかってきて、以前テスターをしていたご縁もあり、「ベトナムでもうひと働きしてみないか?」というお言葉を頂きました。

未知なる土地での新しい挑戦でしたが、第2の人生にはもってこいだなと感じ、ベトナムでの工場の立ち上げを引き受けることにしました。

そういった経緯で13年前にからベトナムに赴任することになりました。

 

Morris社ではどういった事業を展開しているのでしょうか?

釣具全般を生産していますが、特に力を入れている商品ラインナップはPE・リーダー・ナイロン・フロロラインなります。

元々、Morris社は糸屋が前身ということもあり、上記に挙げた商品の生産が得意です。

詳細はWEBサイトに記載させていただいておりますのでそちらを御覧ください。

Morris社のウェブサイト

本社オフィスは埼玉県入間市にあります。

また日本には坂戸に工場があり、九州に販売事業所があります。
中国のウェイハイにも販売会社あり、現地で展開しております。

 

VARIVAS VIETNAM社はいつ頃から稼働が始まったのですか?

2007年に登記を済ませ、工場が稼働を始めたのが2008年からになりますので、今年で稼働13年目になります。

ベトナムの法人に関してはブランド名のVARIVASの名前で法人登記しています。

13年前のMyPhuoc3工業団地周辺なんてなんにもありませんでしたよ(笑)。

ホーチミン近郊の工業団地 まとめ

特に日本食レストランなんて全くありませんでしたからね。

日本に戻ったときにかスーパーでレトルトカレーやカップラーメンを買い込んでくる生活でした。

私がBinhDuongに住み始めてから数年するといくつか日本食レストランが出来始め、お昼には”SAKURA”、”一番星”といったVSIPに入居しているレストランに足繁く通っていました。

また設立当初は加工ライセンスのみでしたが、数年後に販売のライセンスも取得しました。

販売のライセンスに関しては取得するのに難儀しましたね。

 

ベトナムの工場ではどういったものを生産・販売しているですか?

VARIVAS VIETNAMではフロロカーボン、ナイロン、エステルライン、鮎用の金属糸、釣り針の加工などを主に行っております。

糸針などの原材料は全て日本の本社から送付されて来て、それをベトナムの工場で加工しています。

上記の写真はラインをスプールに巻き取っている工程の光景です。

販売に関してはベトナム国内の販売する商品は一旦日本に輸出したものをベトナムに輸入してから販売させていただいております。

次に上げる弊社の商品がベトナム国内で人気商品です。

VARIVAS オーシャンレコードショックリーダ[フロロ・カーボン]

 

上記の写真のフロロ・カーボンのショック・リーダーはヨーロッパのフィッシングショーで入賞しました。

オフショア用のショックリーダーで、強度を保ちつつルアーの動きに干渉しない適度な硬さに調整されています。

 

VARIVAS VEP ショックリーダー [ナイロン]

ナイロンの伸縮性に耐摩耗性能をプラスしたナイロン素材のショックリーダーです。

通常のナイロンと比べて20倍耐摩耗性能を有します。

シーバスゲーム、ライトジギングに真価を発揮します。 

 

ベトナム国内での販売に関して言えば特にメコンデルタに位置するCanThoや中部の海に面したDanangなどの都市にお住まいのお客様からの注文が多いです。

現在ベトナムでレジャー・スポーツとしての釣りは黎明期ですが、今後一人あたりの所得が上がって行けば釣り人口は増加の一途を辿るでしょう。

ですから現在の段階で市場シェアを取れるようにベトナムの問屋や釣具店にネットワークを作っておきたいですね。

釣行の準備を整えよう ホーチミンおすすめ釣具店 5選

 

ただ問題点として、最近はベトナム国内でも偽物の中国製品などが出回っており、対応に迫られております。

見た目はそこまで違いが無いものが多く、ベトナムのお客様は安い偽物の方に行ってしまいます。

特に最近ではFBで個人で売っている人が増えてきており、全てを取り締まるは厳しい現状です。

一企業だけでは止められない流れなので、政府側が対策を講じてくれることに期待していますが、私達の商品を実際に使っていただければその品質に驚くと思いますのでまずは自社商品の認知普及を徹底していくことに注力したいですね。

 

ベトナムで工場を運営するに当たり、苦労したことや工夫していることなどお聞かせいただけますか?

創業当初苦労した点と言えば、機械の使い方を教えるのが難しかったところですね。

熟練した作業が必要な工程もあるので通訳を介して一から教えましたが、これが中々うまく行かない。

当時は私自身、作業着を着て現場に立って、機械の扱いだけでなく、検品・物のしまい方・棚の入れ方等を指導していましたが、何か作業内容をわかりやすく伝えるいい方法は無いだろうかと日々考えていました。

結果として通訳を介して自身が教えるよりも、信頼関係を築くのが上手で教えるのが好きなベトナム人のスタッフを1名選び徹底的に教え込み、彼から現場のスタッフ全員に伝えてもらうようにしました。

そこからですね組織がうまく機能し始めたのは。

 

また、教えやすさから言ったら新卒のほうが断然飲み込みも早いので、工員に関しては新卒を率先して採用していました。

他社での経験があるとその経験が逆に邪魔をしてしまう場面があり、そういったスタッフが指導方法や機械の扱いで他のスタッフと揉めるという事態が度々発生しました。

ですので現場の工員に関しては特に新卒で採用して時間を掛けて育成するようにしていました。

創業初期の工員は15〜20人。現在は80名まで増えましたが、ありがたいことに今でも創業初期のメンバーはほとんど残っています。

 

また、仕事を進めていく上では通訳の質も大切です。

指示した内容を出来たか確認するように伝えて、出来たと言って来ても翌日には出来ていないことがある。

これはそもそも最初に指示した私の言葉を充分に理解出来ていないことが原因であることが多いです。

日本人の上司からしたら、なぜ言われたことが出来ていないんだと思うかもしれませんが、そこで怒ってしまっては組織運営が成り立って行きません。

わからないことがあれば上司に徹底的に質問を返して、理解するまで食い下がる。
そういうことが出来るようになるようスタッフを教育しなければなりません。

こちらが何を言っても分かったという一見物分りのいい通訳は駄目です。

実は適当に返事していていつかはとんでもないことになってしまいます。

皆さんも上司の言っていることが理解できなければ、最後はなんとなくYESで返事をしてしまうことがあるのではないでしょうか?

こちらも質問が帰ってきたら細かく噛み砕いて伝える。
自分の伝え方が悪かったと常に考えなら対応する。

はっきり言うと、根気のいる作業です。

しかしそこができれば、ベトナムでの組織運営で大きなミスは無くなってくるでしょう。

 

また弊社の方針として、一人一人の職能を高め、手当を充実させて定着させるようにしています。

そうすれば一人一人の職能を高めれば人数を減らして余分な出費を抑えることが出来るだけでなく、汎用性のある社員を育てることができます。

全員が様々な作業を高いレベルでこなせる方がありがたい。

急な欠員で補充がきかないときに他の製造ラインから応援でスタッフをあてがうことが出来るようになるからです。

給与に関しては工業団地内の平均よりかなり高めに設定しており、社内のグロス給与は残業代を除き、平均で700〜1000万VND。

皆に頑張って貰い、頑張った人には適正な評価を給与で示すようにしております。

ただ平均給与が高くるなる理由の1つに、勤続年数が長いスタッフが多いことも理由にあります。

https://vietnam-fishing-barramundi.com/2019/11/12/ベトナムのワーカーの給与はどれくらい-2019年度ベ/

手当に関しては弊社では皆勤賞を用意しており、法定・会社規定の休日以外で1年間休みが無かったスタッフには年末に100万VNDを渡しており、2年間で200万VND、3年で300万VNDと毎年100万VNDごとに増えて行きます。

現在弊社には5年以上皆勤賞を受賞し続けいてるスタッフが数名います。

5年なら500万VNDですからね。ベトナム人の工員にとっては結構な金額です。

 

また毎月発生する有給を月末までに消化しなかった場合、その月の有給分を2倍価格で買い取る仕組みもございます。

これは有給で休む熟練した工員が多いと生産性が下がってしまうため、できるだけ出勤して貰える環境を整えるようにしているためです。

80人のスタッフが年間12日以上有給で休むことを考慮すると多少費用を払ってでも出勤してもらったほうが会社にとっては助かります。

福利厚生にも力をいれており、社員旅行も2泊3日でファンティエットにお伺いしてきました。

それにしてもベトナムの社員旅行は盛り上がりますね。

毎年、社員が楽しそうにチームビルディングしているのを見ると、ベトナムに来て本当に良かったなと感じます。

 

最後に私が部下に口を酸っぱくして言っていることがあります。

それは私が作り出したシステムを壊せということです。

私の作り出したシステムは数年前のもの、当然何処かでアップデートしなければ行けないものが沢山あります。

規模も大きくなり、今後は私がマネージメントしているだけでは見落としてしまうようなところが出て来てしまうはずです。

時代にマッチしたシステムを現場のベトナム人のスタッフ達、自らで作り出せるようになって欲しいです。

そのためには与えられた業務を淡々とこなすのではなく、常に現状に問いかけて仕事をし、疑問点や問題点を明確にして、改善実行できる主体性を持った人材になって欲しいし、その様に教育もしていきます。

 

今後の事業展開や業界の展望をお聞かせ下さい

皆さんご存知かと思いますが、日本の人口は毎年、数十万人のペースで減少しており、内需は縮小の一途です。

現在の釣り人口も700万人を切っていますが、更に縮小していく見込みです。

Morris社としても、日本釣り人口を増やす為の努力はしていますが、縮小していくパイの中で売上を伸ばしていくのはやはり難しいところがあります。

これからは日本国内ではなく海外。

今後はベトナムの工場を生産拠点として東南アジア各国に弊社の製品を提供していけるような体制を整えていきたいですね。

アメリカ・ヨーロッパはもちろんですが、特に成長が顕著なASEAN諸国で如何に売上・市場シェアを取って行けるかが鍵となってきます。

VARIVAS VIETNAMではベトナム国内で販路をどうやって拡張するか、どうやって認知させていくかなど課題は山積みですが、自分で考え、実行に移し、成果を感じることができるエキサイティングな仕事だと感じております。今後もベトナムで生産・販売ともに頑張って行きたいですね。

 

会社情報

会社名:VARIVAS VIETNAM
代表者:室屋 徳優
連絡先:+84 274 3553 978
住所:Đường Na3a, Chánh Phú Hoà, Bến Cát, Bình Dương